妊活と睡眠不足ー見えないリスクー
こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。
今日は私の得意分野である不妊症と不眠症の合わさったような内容のブログを書いてみたいと思います。
妊活を始めると、多くの人が食生活の改善や運動習慣の見直し、サプリメントの摂取などに意識を向けます。しかし、意外と見落とされがちな要素があります。それが「睡眠」です。睡眠は心身の回復だけでなく、ホルモンバランスや生殖機能に直結する重要な生活習慣。十分な睡眠を確保できていないと、男女ともに妊娠の可能性を下げる大きなリスクとなり得ます。
男性に起こる変化
男性の場合、睡眠不足の影響は驚くほど顕著です。
研究によれば、たった1週間、睡眠時間が5時間程度に減るだけで、男性ホルモンの値が15歳年を取った状態と同じレベルまで低下するとされています。男性ホルモンは精子の形成や性機能を支える重要な要素。つまり、慢性的な睡眠不足は精子の質を落とし、妊娠の可能性を大きく下げてしまうのです。
女性に起こる変化
一方、女性も睡眠不足の影響を免れません。
慢性的に6時間程度しか眠れていない状態が続くと、FSHの値が20%低下し、排卵障害のリスクが高まることが知られています。排卵が不安定になると、生理周期が不安定になるため妊娠のタイミングを逃しやすくなり、自然妊活にとって大きな障害となります。さらに、睡眠不足はストレスホルモンの分泌を増やし、自律神経の乱れを引き起こすため、月経周期にも影響を及ぼす可能性があります。
睡眠は「妊活の土台」
妊活というと「何を食べるか」「どんな運動をするか」に注目が集まりがちですが、実は睡眠こそが心身の基盤です。十分な睡眠はホルモンバランスを整え、免疫力を高め、心の安定をもたらします。逆に睡眠不足は、努力を積み重ねても成果を妨げる「見えない壁」となりかねません。
睡眠の質をよくする漢方はややもすると不妊症に関係ないように思われますが、実は最も基礎的で必要なことでもあるのです。
実践のヒント
• 毎晩7〜8時間の睡眠を目標にする
• 就寝前はスマホやPCのブルーライトを避け、リラックスできる環境を整える
• 寝室の温度・湿度を快適に保ち、季節に応じた寝具を選ぶ
• カフェインやアルコールは夕方以降控える
こうした小さな工夫も、妊活における「眠る力」を支えます。
まとめ
妊娠を望むカップルにとって、睡眠不足は目に見えない大きなリスク。未来の家族のために、まずは「眠ること」を優先することが、最もシンプルで効果的な妊活の第一歩です。
漢方相談では睡眠を軸とした食事や時間の使い方を一緒に考えていきます。
自分だけでは難しい生活のこともぜひご相談くださいね!
