ストレスは不眠の大敵だ 漢方薬ならどうする?

こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。

今日明日と雨の影響もあって気温は30℃を下回るようですね。

苛烈な暑さがひと段落、このまま秋に向かうのかと思い週間予報を見ると、来週は35℃、34℃という日もあるみたいで…。
まだまだ爽やかな秋風を感じるのは遠いようです、トホホ…。

さて、こうも暑いと体力的な問題以外にもメンタル的な問題も出てきます。
特に暑さは上昇をもたらすため、頭に血が上りイライラしてしまう人も多いでしょう。

イライラすると眠れなくなる経験は誰しもが一度はあるでしょう。

漢方においてもそれは不眠の原因として考えられています。
漢方においてストレスは五臓の一つ「肝」を不調にします。
肝は現代でいう自律神経の安定や情緒の安定に関係する臓であるため、
ストレスにより肝が乱れると自律神経失調や情緒の不安定を生みます。

この時点で十分に不眠の原因になるのですが、厄介なのがストレスが継続している場合です。

ストレスにより肝の不調が長期化すると肝火と呼ばれるものが発生します。
この時点で「怒りっぽい」「目つきが鋭い」などの特徴が出てくるのですが、実はこの肝火、心に伝搬していきます。
心に火が伝搬すると心火となり、精神が昂りやすくなって本格的な不眠症となります。

心火が発生している人は、
・落ち着きがない
・せっかち
・多動
などの特徴がみられます。

つねにソワソワしていて落ち着きがなく、感情的で怒りっぽい、そんなイメージです。

これでは不眠症のみならず日常生活でも支障が出てくるでしょう。

漢方薬なら

漢方薬は段階的に、また体質的に服用を考えていく必要があります。
一時的なストレスであれば加味逍遙散や抑肝散で対応することも可能でしょう。

しかし、高齢者や喫煙者、アルコール習慣がある人は心火を冷ますための腎水が不足している傾向があります。
腎水が不足していると心火が発生しやすく、また、火の勢いが強くなる傾向があります。
このような場合は瀉火補腎丸や杞菊地黄丸、天王補心丹など腎水を補う処方を併用することが大切です。

まとめ

ストレス社会と呼ばれる昨今。
正直なところ、生きていればストレスフリーというのはなかなか難しいかもしれません。
しかし、日頃から漢方薬でストレスを流すことで、不眠やその他の不調を事前に防ぐことも可能です。
病気になったから漢方、ではなく、病気にならないための漢方。
そんな選択ができたら人生はもっと豊かになると思います。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。