「冷えは血の滞りから」─漢方で考える冷え性改善の鍵

こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。


寒さが厳しくなる季節、手足の冷えに悩む方は少なくありません。靴下を重ねても、カイロを貼っても、なかなか温まらない。そんな「冷え性」は、単なる体質ではなく、漢方では「血(けつ)」の滞りが原因と考えられています。

❄️ 冷え性は「血」の流れが悪いサイン

漢方では、体を巡る「気・血・水」のバランスが健康の基本とされます。冷え性はこのうち「血」の流れが滞る「瘀血(おけつ)」の状態であることが多く、血液が十分に末端まで届かず、熱が行き渡らないことで冷えが生じます。

特に女性は月経や出産などで「血」を消耗しやすく、血流が滞ると冷えだけでなく、肩こり、頭痛、肌荒れ、月経不順など、さまざまな不調を引き起こします。
そこで注目したいのが「活血(かっけつ)」という考え方。これは、滞った血の流れを改善し、全身に巡らせることで冷えを根本から改善する漢方的アプローチです。

活血作用のある漢方薬は、血流を促進し、体を内側から温める力があります。単に温めるだけでなく、血液の質や循環を整えることで、冷えの再発を防ぐのです。

おすすめの漢方処方:冠元顆粒と婦宝当帰膠

冷え性改善に活血を促す代表的な処方として、以下の2つが特におすすめです。

1. 冠元顆粒(かんげんかりゅう)
冠元顆粒は、血流を改善し、瘀血を取り除く代表的な処方です。
丹参(たんじん)、紅花(こうか)、芍薬(しゃくやく)など、活血作用のある生薬が配合されており、血液の滞りによる冷えや肩こり、頭痛、動悸などに効果的です。

特に「冷え+頭痛」「冷え+肩こり」といった複合的な症状がある方には、冠元顆粒が力を発揮します。

2. 婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)
婦宝当帰膠は、女性のための補血・活血処方として知られています。
主成分の当帰(とうき)は「血を補い、巡らせる」力があり、冷え性、月経不順、貧血傾向、疲れやすさなど、女性特有の不調に幅広く対応します。

甘くて飲みやすい液体タイプで、毎日の習慣として取り入れやすいのも魅力です。

体質に合わせた選び方が大切

漢方は「オーダーメイド医療」とも言われ、同じ冷え性でも原因や体質によって処方が異なります。冠元顆粒は「血の滞りが強いタイプ」、婦宝当帰膠は「血が不足しているタイプ」に向いています。

冷えに加えて、どんな不調があるか、どんな生活習慣かを見ながら、自分に合った処方を選ぶことが大切です。相談することで、より的確なアドバイスが得られるでしょう。

冷えを改善すると、心も体も軽くなる

冷えは、体の不調だけでなく、気分の落ち込みや集中力の低下にもつながります。血流が整い、体が温まると、自然と気持ちも前向きになり、日々の活力が湧いてきます。

「冷えは万病のもと」と言われるように、放置せず、早めのケアが大切です。活血という視点から、冷え性に向き合ってみませんか?

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。