不妊症 高温期が短い場合はホルモン補充より…
こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。
妊活の相談を受けているとこんなケースがあります。
「基礎体温を付けているが、排卵後にあまり体温が上がらず、上がっても1週間くらいで生理が来てしまう」
実はこれ、黄体機能不全の可能性があります。
黄体機能不全とは字のごとく「黄体が機能を全うしていない」、つまり、黄体ホルモンの分泌量が低くて排卵後の高温期を維持できない状態です。
これは血液検査でも簡単に調べることができます。
排卵後1週間後くらいの血液検査で黄体ホルモン(プロゲステロン)の値が10ng/ml未満だとその可能性を疑います。
この場合、西洋医学では黄体ホルモンを補充するお薬で高温期を維持しようとしますが、漢方でのアプローチは少し違います。
そもそも、黄体ホルモンの数値が良くないということは、黄体の状態が良くないと考えます。
黄体とは排卵したあとの抜け殻のような存在であるため、黄体機能不全を漢方的に考えると、卵胞そのものも発育が良くない可能性があると考え、その対処方法は生理後の低温期からスタートします。
低温期に重要なことは、卵巣に質の良い血が十分に流れることです。
それにより質の良い卵が育ち、その卵が排卵した後の黄体の状態も良くなると考えます。そして排卵後には高温期を安定させる補腎陽薬を服用することが一般的です。
具体的には体質や状況により異なります。
西洋医学的な方法も悪くありませんが、「ホルモンが足りない=ホルモンを足せばよい」という方法以外に、「なぜホルモンが足りないのか?」を改善する方法も試して頂きたいと思います。
漢方は敷居が高いイメージが強いですが、実は生活に密着したなじみの深い医学です。
自分の体を見直すきっかけにしてもらえたら嬉しいです。