貴央先生の漢方ブログBLOG

多嚢胞性卵巣に対する漢方

こんにちわ、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。

今日のブログは多嚢胞性卵巣に対する漢方のアプローチを書いてみたいと思います。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は不妊の原因の一つとして挙げられる排卵障害の2040%を占めるものです。当店にご来店される妊活のお客様にも多い原因の一つです。

 

PCOSはある程度卵子が育つものの、卵巣の膜が固く排卵できず卵胞の中に排卵できない卵胞が留まってしまいます。これを超音波で見るとネックレスのような画像を映すことから『ネックレスサイン』とも呼ばれています。

 

PCOSの厳密な原因は西洋学的にもまだはっきりしていない部分も多いですが、

 

・月経周期25日期間中に行われる血液検査においてLH>FSHになる

 →排卵させるために常に脳から指令が出てしまうため

・男性ホルモン血の上昇

 →多毛やニキビができやすい傾向になる

・インスリンの分泌が多いことがある

などの特徴があります。

 

【中医学によるPCOSの考え方】

 

中医学的にPCOSを考えた場合、基本として卵子の発育と排卵させる力が弱いことがベースにあると考えます。これを腎虚と呼びます。腎は加齢とともに弱くなっていく傾向があります。高齢でも出産が可能な人は腎の働きが良く、若年でも腎が弱くなると妊娠が難しくなる場合があります。

 

さらにPCOSを悪化させる要因には痰濁、瘀血などの体質的要因が考えられます。

痰濁は体にとって不要な『ゴミ』のような存在で、瘀血の症状が合わさるとさらに悪化します。

中医学においてPCOSは卵巣の周りに汚れがこびりついているため、卵巣膜が固くなり排卵しにくいと考えられます。

そのため、中医学ではPCOSに対して痰濁を排泄する化痰薬や瘀血を改善する活血薬を利用されることが多くなります。

 

また、ストレス過多などで自律神経系が乱れ脳から正常に卵巣への指示が出せない場合もあります。女性の社会進出に伴いストレス過多、過度な労働、睡眠不足を起こしている人も多く、PCOSを悪化させてしまうケースもあります。このような場合は心身のストレスを緩和する漢方薬を併用すると良好な結果を得られる場合があります。

 

このように、PCOSと一口に言っても上記のような原因が複雑に絡み合うため、『PCOSを改善する漢方薬は○○』と簡単に決めることは難しく、十分なカウンセリングが必要になります。

 

PCOSは軽度の場合であれば漢方薬でも十分に良好な結果になる事もあり、また重度なお客様に関しても西洋学とはまた違ったアプローチを行うことで良好な結果が得られるものと考えています。

 

 

中山 貴央

中山 貴央先生

薬剤師 / 国際中医専門員 / 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。

Twitter