症例 笑いは悲しみに勝つ
こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。
今日は私の症例と古典の症例で似たようなものがあったので紹介しますね。
タイトルの通りなのですが、
「笑いは悲しみに勝つ」と古来より言われてます。
これは五行学説的にも考えられていて、五行学説において心は肺を相克する(抑える)と考えます。
心の志は喜び、肺の志は悲しみになります。
つまり、過剰な喜びは悲しみを打ち消す、という理屈になります。
実際、私の漢方相談でも
・主人をなくしてから鬱っぽくなってしまった
・縁談がなくなり、楽しいという感情がなくなり涙が流れる
・介護の疲れでわけもなく涙が出て、このままいつまで続くのかと思うと悲しくなる
などなど、「悲しい」「鬱っぽくなる」という相談は多々あります。
もちろん、カウンセリングをして漢方の服用もお願いしますが、カウンセリングの中で好きな歌手やお笑い芸人、番組などをさりげなく聞くことがあります。
そして、暇な時間はそういう方々の歌や番組、Youtubeなどを視聴していただくようにしています。
つまり、生活の中で少しでも「笑い」の時間を取り入れていただくこと大切です。
実は古典の中にもこの話とよく似たものがあります。
沈源の「奇症匯」には喜勝悲の話としてこんなものがあります。
ある男性が結婚して間もなく、妻が病気で亡くなってしまった。
その男性は悲しのあまりうつ病のようになってしまった。
多くの医者に診察してもらったが改善せず、最後の名医である朱丹渓にお願いした。
朱丹渓は丁寧な診察をした後に、この男性に「あなたは妊娠していますね」と言いました。
それを聞いた男性は大笑い。「妊娠を守る薬」を渡して診察が終わった。
この男性はあまりのおかしさに大笑いをした。
帰宅後も診察を思い返しては大笑いした。
気が付くと、この男性の病は改善していた。
というものです。
時代が時代ではありますが、笑いが悲しい心を改善する良い例でしょう。
現代でも笑う効果として
・幸福感が高まる
・ストレス軽減
・免疫力アップ
・自律神経のバランス調整
・エイジングケア効果
・呼吸機能の改善
・認知機能の維持
が認められています。
くだらないなぁと、笑ってしまうことは人間にとってとても大切な「心の薬」になることを忘れないでくださいね!