AMHは卵の質の問題ではありません
こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。
妊活の相談を受けていると、
「AMHが低いと言われて落ち込んでしまった」
「数値が悪いから、もう妊娠は難しいのでは」
と不安を抱える方に出会うことが少なくありません。
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣に残っている卵胞の“数”の目安になる指標として広く使われています。しかし、ここで強調したいのは、AMHは卵胞の“質”を示す検査ではないという事実です。
AMHが低い=妊娠を諦める、ではありません。
むしろ、AMHが高くても卵の質が伴わなければ妊娠に至らないケースもあります。
妊娠に直結するのは、最終的に排卵される卵の「質」。そしてその質は、年齢だけでなく、日々の生活習慣や体の状態によって大きく左右されます。
漢方では血の質・量・流れを重要視する
西洋医学においても漢方医学においても、重要な要素に「血流」があります。
卵巣は非常に繊細な臓器で、血流の影響を受けやすい場所です。
血液は酸素や栄養を運び、老廃物を回収する生命活動の基盤なので、卵胞が成熟する過程でも、血流が十分であるかどうかが質に直結します。
血流が滞れば、卵巣に必要な栄養が届きにくくなり、卵胞の発育がスムーズに進まなくなることもあります。
妊活の現場では、血流改善によって採卵数や卵の成熟度が上がったり、移植の着床率が向上したりするケースが珍しくありません。これは西洋医学だけでなく、漢方医学でも長く語られてきた視点です。漢方や鍼灸が妊活で支持される理由のひとつも、まさに「血流を整える」アプローチにあります。
血流を良くする日常のポイント
では、血流を良くするために、日常でできることは何でしょうか。
まず大切なのは、体を冷やさないこと。
冷えは血管を収縮させ、血流を悪くします。
特に下腹部や腰回りを温めることは、卵巣や子宮の血流改善に直結します。
腹巻きやカイロ、温かい飲み物など、日常の小さな工夫が積み重なると大きな違いになります。
次に、適度な運動。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、軽い運動でも血流は大きく改善します。激しい運動は逆効果になることもあるため、心地よく続けられるレベルが理想です。
さらに、ストレスケアも欠かせません。
ストレスは自律神経を乱し、血管の収縮を招きます。深呼吸や入浴、好きな時間を意識的に作るなど、心を緩める習慣は妊活にとって大きな味方になります。
そして、食事。
鉄分、ビタミンE、オメガ3脂肪酸など、血流をサポートする栄養素を意識することは、卵の質を整えるうえで非常に有効です。特別なサプリに頼る前に、まずは日々の食事を見直すことが、長期的には最も効果的な投資になります。
まとめ
妊活は、どうしても数値に振り回されがちです。
AMH、FSH、E2……検査結果は大切ですが、それだけで未来が決まるわけではありません。AMHが低くても妊娠した例は数多くありますし、逆に数値が良くても妊娠に時間がかかることもあります。
大切なのは、「今の自分の体をどう整えていくか」という視点です。卵の質は、日々の積み重ねで確実に変わります。血流を整え、体を温め、心を緩める。そんなシンプルな習慣が、未来の妊娠力を支える土台になります。
AMHの数値に一喜一憂するのではなく、自分の体を信じて、できることを丁寧に積み重ねていく。その姿勢こそが、妊活を前向きに進めるための最も確かな道だと感じています。