人は【将来の自分】を他人ごとに考えてしまう

こんにちは、宇都宮市・天明堂薬局の中山です。

今日はちょっと漢方とは関係ないようで関係があるお話を書いてみたいと思います。

突然ですが、
・【明日】、大切な友達と夕食を食べに行く
・【1か月後】、大切な友達と夕食を食べに行く
・【1年後】、大切な友達と夕食を食べに行く
・【10年後】、大切な友達と夕食を食べに行く
という、4つの時系列で、【具体的なイメージ】はどれほど浮かびますか?

【明日】の人は、誰と、どこで、どの様な服装で、金額はどれくらいかなど、ほとんどの想定済みだと思います。

【1か月後】の人は、誰と、どこで、までは想定できていても、服装や金額までは想定できていないのでないでしょうか?

【1年後】の人は、誰と、までは想定できていても、どこで、服装、金額まではそうていできないでしょう。

【10年後】の人は、そもそも誰と行くのかさえも想定できていないはずです。

このように、人の思考は【今、この瞬間】に重点が置かれ、未来の自分は他人事のようになる傾向があります。
これを『現在思考バイアス』と呼びます。

この現在思考バイアスは漢方においても重要なことです。

当たり前のことを一つ書くと、我々の心と体はこの世に一つしかなく、歳を重ねるごとに消耗していき、老化が始まれば様々な病気を起こします。

【そんなのあたりまえじゃーん!】

と思いますよね?

しかし、ほとんどの人が【よし、20年後の自分のために今から体に良い事を具体的に始めよう】と思いません。
それはなぜかというと【20年後の自分】をイメージしても自分事のように思えないからです。

お酒を飲んでいたら、暴飲暴食をしていたら、夜更かしをしていたら、ストレスを溜め込むような生活をしていたら、運動をしなかったら…

それは間違いなく将来の自分にとってデメリットですが、将来の自分が他人事のように感じてしまうため、【今】に重点を置いて考えてしまいます。

漢方は未病先防という素晴らしい考え方があります。
これは【病が発症する前に予防する】という考え方で、西洋医学のような【病気になったら対処する】という考え方と一線を画します。
そのため、化学薬品が【病気をしたときのみ服用する】のに対し、漢方薬は【健康な状態を維持するために服用する】というアプローチも可能になります。

そのため、私たち、漢方の専門家はお客様の20年後の未来も想定しながら漢方薬を勧めたり食養生を勧めたりするのですが…、、、先ほどの現在思考バイアスのせいでなかなかその【想い】が届きにくいなと感じています。

なので、最近私は、【今を大切に】を意識してお客様にご提案をさせていただいております。
想像もできない未来の話よりも、【今】をより良くすることを提案したほうがお客様にとっても有意義なのかな?と思っています。

とはいえ!やはり一回しかない人生。【あの時やっていれば良かった】と後悔しない人を一人でも増やすためにもさりげなく【漢方は未来の自分への投資】と伝えていきたいと思います。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。