眼精疲労を漢方で治す、その③
こんにちわ、天明堂薬局の中山です。
自粛GWいかがお過ごしでしたか?
自宅でゆっくりと過ごされた人が多かったですよね。
栃木県は徐々に自粛のムードが解けていきそうですが、まだまだ予防の意識は高めていきたいところです。
さて、GWを挟んだために久しぶりのブログです。
今日は眼精疲労の原因その③「脾虚湿盛」です。
脾虚湿盛とはものすごくざっくり言い換えると「お腹が弱くて水分代謝も低下し、過剰な水分が停滞している状態」です。
えっ!?お腹?水分代謝?それが眼精疲労に関係するの?
そんな声が聞こえてきそうですが、中医学や漢方では原因の一つとして考えられています。
そもそも脾には運化作用と呼ばれる働きがあります。
これは食べたものを消化してエネルギーや栄養として体に吸収させる働きを言います。
つまり脾が弱い人は食べたものの栄養素を十分に吸収しにくくなり、眼の働きに必要な栄養素も不足しがちになります。
また脾には「昇清を主る」という働きもあり、簡単に言えばエネルギーを上昇させる働きを指します。
脾が弱ることで栄養を吸収できず、さらにそれを目に送り届けることもできない状態になると眼精疲労として現れます。
この脾虚湿盛タイプの眼精疲労には以下のような特徴があります
・目がズーンと重く感じる
・手足に力が入らない(筋力の低下を感じる)
・浮腫み、倦怠感
・眩暈、考える気力が沸かない
・軟便
これらの症状はすべて過剰な水分が体に停滞していることで起こることが多いため、眼精疲労の他にこのような症状があれば、脾虚湿盛の状態になっていると考えて良いでしょう。
脾虚湿盛の状態はどうすれば改善できるのか?それはとてもシンプルです。
「脾を強くして余分な水分を出す」をすれば改善します。
逆を言えば、脾を強くし余分な水分を出す漢方薬を飲んでも、冷たい飲食をしたり、暴飲暴食をしたり、火の通ってない食事が多くなるとなかなか改善しません。
脾虚湿盛の人は生姜やネギ、豆、芋類などの食材をよく噛んで食べるようにしましょう。
脾虚湿盛を改善する漢方薬は様々ありますが、胃苓湯や香砂六君子湯、補中益気湯などを体調や状況に応じて使い分けると良いでしょう。
なお、脾が丈夫になると食事から気血をしっかり生成することができ、水分代謝も良くなるので、毎日を元気に過ごせるようになります。
脾を強化して毎日を元気に明るく、そして眼精疲労知らずになれたらとても素晴らしい事ですね。