睡眠不足と不妊症と漢方
『睡眠不足は不妊症になりやすくなる』
そんな言葉を聞くと『まさか』と思う人も多いかもしれません。
しかし、近年の研究により残念ながらその『まさか』は間違いないものとなっています。
シカゴ大学研究チームは20代後半の健康な男性を集め、1週間5時間睡眠を続けてもらいました。その後、血液検査をすると十分な睡眠を続けていた時の値と比べて、テストステロンが大幅に減少していました。その減少幅は10~15歳年を取ったのと同程度でした。
テストステロンはいわゆる男性ホルモンで、この値が低下すると精子の量が減り、精子の質も悪くなります。さらに怖いのは睾丸が小さくなってしまうという事です。さらにさらにテストステロンが低下すると倦怠感の増幅、集中力の低下も引き起こし、仕事を元気にこなすこともできなくなります。これが最近注目されつつある「男性更年期障害」です。
疲労がたまり仕事もうまくいかない、性欲の低下した男性が妊活に積極的になれない事実がそこにはあるのです。
睡眠不足によって不妊症になるのは女性も同じことです。いや、女性の方がもっと深刻とも言えます。女性の場合、日常的に睡眠時間が6時間を切ると脳下垂体から卵巣に送られる卵胞刺激ホルモン(FSH)が20%も低下し、排卵障害を起こす可能性が高まります。
夜勤の仕事をしている人、不規則なライフスタイルを送っている人は生理不順になる確率が33%高くなるとも言われています。
ここでいう「睡眠時間」とは「実際に眠っている時間」の事であり、「横になっている時間」ではない、ということを考えれば、睡眠不足が原因で不妊症に悩んでいる夫婦は思った以上に多いことが予測されます。
漢方薬で睡眠の質を良くし生殖能力を高めよう
漢方における妊活では主に『活血・補血・補腎(生殖器の働きを良くする事)・疏肝理気(ストレスを緩和する事)』に重きを置きます。
良い睡眠は無駄な血の消耗を抑え、腎と肝を休ませることが出来ます。
良い睡眠こそが妊活にとって一番の薬と言っても過言ではありません。
しかし一口に不眠と言ってもその人の体質によって改善方法も様々です。
体質に応じた漢方的改善方法はぜひ下記のページをご覧ください。
妊活がうまくいかないとつい「何かを摂取しないといけない」と思いがちです。
しかし、補う事ばかりで「しっかりと休む事」が疎かになっている人も多いです。
睡眠の重要性を再認識して、質の良い睡眠を心がけて食事や生活を組み立てていきましょう。