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頭痛のタイプと原因を知ることが改善の第1歩

中医学における頭痛の原因は主に9種類ありますが、それぞれが独立している場合もあれば2つ以上の原因が重複していることもあります。長引く頭痛は自己判断せず、ご相談されることをお勧めします。

現在、片頭痛は人口の約8%、緊張型頭痛は約20~30%いるとされており、多くの方が頭痛に悩まされています。また、性別でみると女性は男性の約3倍多くみられ、生理前の憂鬱な気分を引き起こす大きな原因になっている方も多いです。中医学から考えられる頭痛の原因は以下の9つです。

① 風寒頭痛

字のごとく、「風」と「寒」の影響で発生する頭痛です。「寒」は気や血のめぐりを渋滞させる特徴があります。中医学には「不通則痛」という考え方があり、気や血の流れが悪化すると痛むとされています。カゼをひいてゾクゾクと寒気を感じる時にみられる事があります。他にも、首から後肩部にかけての筋肉のこわばり、関節の痛み、くしゃみ、鼻水、などの症状を併発することがあります。

改善策としては、「風」と「寒」を追い払う「疏風散寒」という方法をとります。代表的な漢方薬は「川芎茶調散」で、かぜの症状が強い場合は「葛根湯」などを併用すると良いでしょう。また、食事の面でも、生モノや生野菜など体を冷やすような食事は控えることも大切です。

② 風熱頭痛

「熱」は「寒」と違い上昇する傾向があるため、主に頭痛を中心に熱感を伴うことが特徴です。頭痛とともに発熱、喉の痛み、口が渇く、咳、黄色い痰が出るなどの症状もみられます。

改善策としては「風」を追い払い、「熱」をとる「去風清熱」という方法をとります。代表的な漢方薬は「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」です。黄連解毒湯を基本とした漢方薬で、高い清熱解毒作用に川芎や防風、薄荷、白芷など止痛作用のある生薬も配合されており、風熱頭痛に用いられます。

③ 風湿頭痛

「湿」は粘りやすい性質があり、気や血のめぐりを停滞させます。なんとなく頭が重い感じがするような頭痛にみられます。また、体全体が重だるく、消化器系が弱い方に多くみられます。

改善策としては「風」を追い払い、「湿」を外に出す「去風勝湿」という方法をとります。代表的な漢方薬は「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」です。字の如く体の中にある余分な湿を取り気の巡りを良くする漢方薬で、夏風邪のような胃のムカつきや下痢症にも多く使われます。食事の面でも、生モノ、生野菜、冷たいものをゴクゴク飲むなど、胃腸を冷やすような食生活はなるべく控えることも大切です。

④ 気虚頭痛

胃腸の働きの低下や疲労などにより気や血を消耗すると、頭を養う気血が不足し、頭は滋養を失い痛みがおきるという中医学独特の考え方です。疲労時に起きるのが特徴です。他にも、ダルさや食欲不振、舌がぼてっと大きいなどの症状を伴う事が多いです。

改善策としては「気を増やすこと」と「気を頭部に持ち上げること」を目的とした「益気昇陽」という方法をとります。代表的な漢方薬は「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」です。柴胡や升麻など気を持ち上げる生薬が入っており、胃腸の働きを良くし気を増やす生薬と協力して疲れからくる頭痛に効果を示します。痛みが強い場合は川芎茶調散と併用するのがよいです。

⑤ 血虚頭痛

気虚頭痛と似ている症状で、血虚のため脳を養うことができないため頭痛が起きるという中医学独特の考え方です。めまいや、ふらつき、顔面蒼白、不眠などの症状を伴う事が多く、また気虚頭痛でみられる症状も起こりえます。

改善策としては気と血を補う気血双補や滋陰補血などの方法をとります。代表的な漢方薬に婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)に頭痛がひどいようであれば川芎茶調散を併用するのがお勧めです。婦宝当帰膠は気と血を両方補うものですが、特に血を補う作用に優れています。

⑥ 腎虚頭痛

腎は主に生殖ホルモン系にあたり、腎虚は加齢や陰陽のバランスの乱れからくる腎精の低下と考えられます。腎精は髄に変化して脳を養うという中医学独特の考えがあり、腎精の不足は痛みこそ強くはないが、お年寄りの慢性化した頭痛の原因になることが多いです。腎精の不足からくる頭痛は、めまいや耳鳴り、足腰のダルさ、腰痛などを伴うことがあります。

改善策としては腎の精を補い脳部に栄養をいきわたらせる方法をとります。代表的な漢方薬は冷えがあるようであれば「海馬補腎丸(かいまほじんがん)」、そうでなければ「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」などが良いでしょう。

⑦ 肝火頭痛

五臓のうち頭痛に最も関係するのが「肝」です。肝は五臓の中でも陰陽のバランスが陽に傾きやすい性質があり、体の上部に影響を及ぼしやすい特徴があります。肝の陰が不足し陽に傾きすぎるとを肝火となり、片頭痛や赤ら顔、目の充血、などを起こします。また、ストレス過多、起こりやすい、睡眠不足、お酒・タバコ・辛い食べ物を好む方はこのタイプになりやすいので注意が必要です。

改善策としては肝が陽に傾きすぎないように陰を補う漢方薬を飲むことが重要です。代表的な漢方薬に「瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)」や「釣藤散(ちょうとうさん)」などがあります。

片頭痛の多くはこの「肝火頭痛」が原因と考えられます。

⑧ 痰濁頭痛

主に胃腸の働きの低下などから体に余分な水分(湿)が生じ、湿が粘り気を持つ痰になり、頭部に侵入すると頭痛が起きるという中医学独特の考え方です。頭痛が長引く特徴があり、めまいやたちくらみ、気分がモヤモヤ・ムカムカすることがあります。

改善策としては胃腸の働きを良くし湿や痰をなくす「健脾化痰」を中心に行います。代表的な漢方薬に半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)や温胆湯(うんたんとう)があります。食事の面でも、生モノや生野菜、冷たいものはなるべく避け生姜やネギなどを食べるのも良いでしょう。

⑨ 瘀血頭痛

血行不良や外傷、長引く病などにより瘀血ができることでさらに血行不良をまねき、頭痛を起こす状態です。痛みが刺すような痛みで、痛む場所が固定的などの特徴があります。
改善策として、瘀血を取り血行を良くする「活血化瘀」をする漢方薬を飲むことが重要です。代表的な漢方薬に冠元顆粒(かんげんかりゅう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあります。

冒頭にもありますように、これらの症状は独立して起きることもあれば、複数の原因が絡んでいる場合もありますので、ご相談のうえお薬を選ぶのが良いでしょう。

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