SAD(季節性感情障害)と漢方薬

こんにちは、宇都宮市の漢方相談、天明堂薬局の中山です。

SAD(季節性感情障害)をご存じですか?
SADはSeasonal Affective Disorder)の略です。

主に、秋または冬に抑うつ感が高まり、春や夏になると改善するのが特徴です。

当店でも、数年前から10月・11月になると学生の不登校の相談が増えるようになり、そのお客様の多くにSADが当てはまります。

漢方において秋は春夏と続いた陽の季節が終わりを迎え、陰の季節へと移行する時期です。

陰には暗い、重い、下降、内向、静止、水、夜、寒いなどの特徴があるため、体も心も
怠い、動きたくない、鬱々とする、悩みやすい、暗くなる、という特徴が出てきます。

まさに「鬱」の症状そのものなんです。

さらに性格や生活習慣の影響で、なかなか発散や自分の意見を言えないでいると、陰の状態が強くなるため、リスクは高まります。

日頃から運動習慣があったり、大声で歌ったり、悩みを話せる環境にあれば、それは「陽の習慣」であり、陰に傾きすぎることを防いでくれます。

逆を言えば、運動習慣がなく、話す機会がない人は、陰の状態が強まります。

SADと漢方薬

例年のようにSADの相談を受けていますが、ほとんどの人が改善します。
方法は至ってシンプルです。
①陽を高める漢方を服用する。
 体の陽気を高めることで、心と体を陽に傾けます。
 なんとなく元気なったような気がする、という感覚になることが大切です。

②運動をする。
 運動は陽です。
 散歩でもいいですが、できれば息が上がるような運動ができるとベター。

③冷たい食事をとらない
 冷たいは陰の食事です。
 必ず、温かい状態で食事をとりましょう。

④就寝と起床の時間は絶対に固定する
 就寝と起床の時間はたとえ、体調がすぐれなくても固定しましょう。
 概日リズムを安定させることで、ホルモンや体温が安定し、活動しやすくなります。
 休日に昼まで寝たり、休日前に夜更かしするのは絶対にNGです。

⑤話す
 話すという行為は、体の中のものを外に出す行為です。
 鬱々としている場合は独り言でも大丈夫!
 好きな歌を歌えたら一番いいですね。

⑥遊びがゲームやSNSにならないようにする
 ゲームやSNSは楽しい反面、体を動かすことがありません。
 まったくやらないで、とは言いませんが、時間を決めてやりすぎないようにしましょう。

これらを意識すると、陰に傾きすぎた心と体が陽に向かい、SADや鬱状態を改善していけます。
SADは大なり小なり訪れるものです。
少しでもSADを軽減するうえでも漢方薬を中心に養生していきましょう!

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。