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妊娠・産後

産後の体調管理

人生でもっとも感動的な出来事のひとつである妊娠・出産。その感動的な出来事の陰で、産後の体調不良に悩んでいる女性が意外と多いことをご存じですか?
産後の体調の変化の理由としては以下の2点が挙げられます。

1.血虚失養(けっきょしつよう)

出産時には急激に血を消耗します。血は中医学では全身を巡って、組織や器官に栄養を与える働きがあるため、その血が不足すると身体を養う事が難しくなります。また、血が不足すると気と呼ばれる体のエネルギーのようなものも同時に失われるため、疲れやすくなったり、免疫力なども低下してしまいます。

症状

血と気が不足すると体全体に虚弱状態の症状がみられるようになります。

産後腹痛
子宮を養うことができず、弱い痛みを感じるようになります。さすったりすると楽になります。
めまい
頭部に気血の不足がみられると、めまいを起こしやすくなります。他にも眼精疲労や頭がボーっとする、考える力が低下する、などの症状もみられます。
不眠
気血の不足が進むと「虚証型不眠」になることがあります。体は疲れているのに眠れないなどの特徴があり、ご高齢の方にも多くみられます。

【乾燥肌】

痒み肌
血液はお肌に栄養を与え潤わす働きがあります。そのため、血が不足すると肌は乾燥し、ひどくなると痒みを引き起こします。
便秘
中医学には「津血同源」という言葉があるように、血は潤いである津液にも大きく関与しています。潤いが不足すると腸内も乾燥し便秘やコロコロウンチが出やすくなります。

おすすめ漢方薬

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

卵巣機能の改善が期待できる生薬「当帰」を大量に配合した漢方薬です。血液を補う漢方薬の「四物湯」を基本に、人参や黄耆などの補気薬も配合されているため、産後の気血不足にはぴったりです。
 

2.血瘀阻絡(けつおそらく)

出産後は精神疲労やストレスがかかりやすくなり、また、気血の低下から血行不良を招くこともあるため、瘀血を発生させます。

症状

血行不良になると瘀血が発生するため以下のような症状がみられるようになります。

産後腹痛
温めたりすると楽になる点では気血不足からの腹痛にも似ていますが、押されることを嫌がる特徴があります。
経血に塊がみられる
子宮内に瘀血が存在すると、経血に塊がみられると考えられます。

【顔色が蒼白】

手足の冷え
瘀血は気血の巡りを邪魔するため、末端まで気血が巡らず手足の先が冷えやすくなります。唇の色なども暗くなります。
舌色暗、瘀斑
瘀血があるときの特徴的な舌の状態です。

おすすめ漢方薬

冠元顆粒(かんげんかりゅう)

気滞血瘀に使われる有名処方です。血行を良くすると同時に気の巡りも改善するため、幅広く利用されています。木香や香附子には止痛作用もあるため、血行不良からくる生理痛や肩こり、頭痛などにも応用できます。

まとめ

厳密には気血の不足と瘀血は同時に起きることが多いため、産後は両方のケアをしたいところです。産後に十分なケアをすることで、産後特有の症状を予防できるばかりでなく、健やかなママ生活も送れるようになります。
ご家族のためにも産後の体調管理は十分にしてくださいね!

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