漢方における先入観に気をつけてください

こんにちは、宇都宮市の漢方相談・天明堂薬局の中山です。

今日のブログは「漢方における先入観」について書いてみたいと思います。
日々、漢方相談をしているとたびたびお客様の漢方に対する誤解や先入観に出会うことがあります。

先入観は物事を正しくとらえることを阻害してしまうこともあるため、特に間違った先入観は持たないほうが良いと思います。
今回は代表的な漢方に対する先入観をいくつか挙げてみますね。

①漢方は長く飲まないと意味がない

一番多い先入観が、「漢方は長く飲まないと意味がない」です。
これ、半分あたりで半分間違いです。
たとえば、気を補う・血を補う・精を補うのような「何かを補う漢方」は確かに継続的に服用しないと効果を感じませんし、長期的に服用することで体質は丈夫になってきます。
しかし、漢方はすべて「何かを補う漢方」ばかりではありません。
例えば、葛根湯。
葛根湯は風邪を払うことを目的としているため、服用してすぐに効果が出ますし、風邪をひいていなければ継続して服用する必要もありません。
また、便通を改善する漢方も、便通が良い状態であれば毎日服用する必要もありません。
咳止めも、咳が治れば、服用する必要はありません。
このように「対処療法の漢方薬」は症状が収まれば、継続する必要はないわけです。
しかし残念ながら、病院などで咳止めの漢方薬が1か月分処方されている、というケースを目にすることもあります。
これは残念ながら漢方に詳しくない医師によく見られることで、漢方の性質が分かっていません。
服用している漢方が「対処療法の漢方かどうか」を理解すれば、「長く飲まないと意味がない」という誤解は生まれないでしょう。

②漢方さえ飲んでいれば大丈夫

漢方薬の中でも気・血・精を補う漢方薬は継続的な服用が必要ですが、だからと言って漢方を飲んでいれば大丈夫という事でもありません。
例えば、胃腸を丈夫にして気血精を効率よく回復することが目的の漢方薬を服用している場合、胃腸を傷つけるような食事内容は漢方の効果を著しく低下させます。
ビール、ジュース、アイス、揚げ物、消化の悪いもの、暴飲暴食
このような食事をとっていては、胃腸を回復することは難しいでしょう。
時折「漢方を飲んでいるけど効果を感じない」という人がいますが、食事内容を聞くと意外と漢方薬の目的と反する食材を摂っていることも多いです。
漢方薬を服用の際は、必ず「どのようなものを食べて、どのようなものは避けるべきか」もアドバイスをもらいましょう。

③あの人に効いた漢方だから私にも合うはず

「芸能人の○○が△△という漢方がよく効いたと言っていたので飲んでみたい」
「テレビに出ていた医者が○○病には△△が効きます。と言っていたので飲みたい」
こんなお声を良くいただきます。
これは本当に危険な先入観です。
漢方というのは鍵と鍵穴に例えられます。
自分の体質という鍵穴に、適した漢方薬と言う鍵を入れなくては、効果を得ることはできません。
自分と芸能人は全く同じ体質ではないですし、万人に効く漢方などありません。
テレビの演出上仕方のないことではありますが、漢方の誤解を生みやすい情報発信であることは否めません。
必ず、自分の体質に合った漢方を提案してもらいましょう。

まとめ

漢方薬に興味を持っていただけるのはとても嬉しいことですが、誤解や先入観を持ってしまうとその魅力を十分に発揮できないこともあります。
自分で調べることも大切ではありますが、やはり専門家に相談することが間違いは起こりにくいと思います。
漢方と正しく付き合うことで、より良い毎日をお過ごしくださいね!

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。