ED 原因と漢方薬について

インポテンツの原因は中医学では主に4つ挙げられます。自分に合った漢方薬と生活習慣を選択することが重要です。
中医学におけるインポテンツの原因は主に

  1. 腎陽不足(じんようふそく)
  2. 心脾両虚(しんぴりょうきょ)
  3. 肝気鬱結(かんきうっけつ)
  4. 熱下注(しつねつげちゅう)

の4つが挙げられます。

腎陽不足

腎陽不足は、腎の陽気が不足している状態です。腎は生殖ホルモン系のような働きがあり、人体の成長や発育、生殖に大きなかかわりを持っていると考えられています。男女の生殖器の発達にはこの腎陽の充実が必要不可欠になっています。つまり、腎の陽が不足することで腎の持つ働きが低下し精力の低下を招いてしまうのが腎陽不足によるインポテンツです。
腎陽不足のインポテンツに多い症状として、勃起しても堅くならない、精液が薄い、顔色が白い、足腰がだるい、手足が冷える、歯が弱い、などがあります。改善方法として、腎陽を補う漢方薬を服用する必要があります。
代表的な漢方薬に、海馬補腎丸(かいまほじんがん)や至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)などがあります。

心脾両虚

心脾両虚は、心血虚と脾気虚の二つが合併した状態です。気血不足と同等とも考えられ、栄養不足の状態になり生殖器に栄養がいかなくなることにより、インポテンツになるという考え方です。 「脾は思を主る」・「心は神明を主る」という考え方があり、脾や心はともに精神活動に強く関連しているとされています。憂鬱な気分であったり、考えすぎなどは心と脾を損傷し、気血の生成に悪影響を及ぼします。
なんとなく顔色が黄色い、不眠や不安がある、疲労感がある、食欲があまりない、などの症状を伴う事があります。改善方法として、心に血(栄養)を与え、脾の働きを良くする漢方薬を服用する必要があります。
代表的な漢方薬として、帰脾湯(きひとう)があります。

肝気鬱結

肝気鬱結は、怒りや憂鬱、イライラが起きることにより、肝の「疏泄機能の失調」を招き、男性生殖器を養うことができなくなりインポテンツになる、という考え方です。イライラや怒りっぽい、お腹が張る、舌の赤みが強いなどの症状を伴う事があります。改善方法として、イライラやストレスを緩和して気持ちをすっきりさせることが大切です。
代表的な漢方薬として加味逍遥散(かみしょうようさん)や不眠や精神不安が強いときは酸棗仁湯錠(さんそうにんとうじょう)などがあります。 また、漢方薬を飲むこと以外にも、運動などで気持ちを発散させることが大切です。

湿熱下注

湿熱下注によるインポテンツは比較的少ないですが、なかなか改善しないという特徴があります。湿とは、粘滞性があり体内の気の巡りに悪影響を及ぼすと考えられているものです。脂っこいものや甘いもの、特に酒の摂取は湿を生みやすいものなので、食事の不摂生が見られる人には多い原因です。
舌に黄色っぽい苔が生えている、尿が黄色みがある、陰部に痒みがある、などの症状を併発される方が多いです。改善方法としては、体にたまっている湿と熱をとる漢方薬を飲むことと、脂っこいものや甘いもの、お酒を控えることです。
代表的な漢方薬に瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)や瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)があります。
 
インポテンツはあきらめないで生活習慣から改善することをおすすめします。

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