ホットフラッシュと漢方

ホットフラッシュは主に更年期の女性に多く見られる症状です。
主に『のぼせ』『発汗』『火照り』の症状が多く、環境や季節などに影響されないことも多いです。
ホットフラッシュが更年期の女性に多く見られる原因として、卵巣機能の低下により女性ホルモンの分泌の低下が起り、自律神経が乱れがちになる事で血管の収縮・拡張が不安定になる事と考えられています。

ホットフラッシュと漢方

漢方においてホットフラッシュの原因は陰陽のバランスの乱れと考えます。
陽の特徴は上昇、温かい、男、軽い、動く、外などがあり、
陰の特徴は下降、冷たい、女、重い、静止、内などがあります。
陰陽学説において女性は陰に属しますが、女性は7の倍数で変化すると考えています。
28歳を陰のピークと考えると42歳~49歳、つまり更年期と言われる時期は陰が一気に低下していく事になります。
その結果、陰が不足し陽が相対的に上がることで、心身ともに興奮、熱、上昇などの症状がみられるようになります。

漢方におるホットフラッシュ改善のポイントは2つ

1.補腎陰薬で陰を補う

陰が不足し陽を抑えることが出来ない状態であれば、陰を補い陽とのバランスを整えることが改善のポイントとなります。
代表的な漢方薬には瀉火補腎丸があります。瀉火補腎丸は六味地黄丸に知母・黄柏を加えた処方で、腎陰を補いつつも火を瀉する(抑える)働きがあります。まさにホットフラッシュに対する基本ともいえる漢方薬です。
他にも亀鹿仙や杞菊地黄丸、二至丹などさまざまあり、体質などに応じて使い分ける必要があります。

2.ストレスによる気滞を防ぐ

漢方において気は心や体を動かすエネルギーのような存在です。
気はストレスを感じると流れが悪くなり、上昇する性質があります。
気は陽に属するため過剰に溜まると熱を帯び、これが頭部のホットフラッシュの引き金になる事があります。
デスクワーカーや運動不足、季節の変わり目などストレスがかかりやすい状況にある場合は陰を補うばかりでなく気の巡りを良くしておくことも重要です。
その点で有名な漢方薬が加味逍遙散です。逍遥散に牡丹皮と山梔子を加えた処方で、気の巡りを良くしつつも清熱作用があります。ストレスが怒り・火照り・不眠などに出てしまう人に良いでしょう。
他にも抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蠣湯などさまざまなあり、体質に応じて使い分ける必要があります。

まとめ

ホットフラッシュは更年期にある女性の多くが経験する症状です。
顔の赤みや火照り、多汗のような症状だけでなく、心煩などにより人間関係のトラブルに発展することもあります。
少しでも症状を感じたら悪化する前に漢方薬でバランスを整えていくと良いでしょう。

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