子宮筋腫と漢方

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮の壁にできる良性の腫瘍です。
筋腫は女性ホルモンによる影響を受けて大きくなるため、性成熟期となる20代以降に発症しやすくなります。
30代以降の女性であればおよそ30~40%に存在すると言われ、女性にとっては身近な腫瘍の一つと言えるでしょう。

子宮筋腫の種類と場所

筋腫はできる場所により筋層内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫などに分けられます。
割合的には筋層内筋腫は全体の70~80%、粘膜下筋腫は5~10%、漿膜下筋腫は10~20%となるため、ほとんどの筋腫は筋層内筋腫と考えられます。

筋層内筋腫は筋腫の肥大化により子宮の収縮が上手くいかなくなり強い生理痛を引き起こす場合が多いです。多発化するのも特徴的で、超音波検査をしたらたくさん見つかった、というケースも珍しくありません。

粘膜下筋腫は筋腫が子宮内膜の直下にでき、子宮の内側にむけて発育します。
月経痛や過多月経などの症状が最も強いです。

漿膜下筋腫は外側に向かって肥大化していく傾向があるため、無症状の場合があります。
しかし、筋腫格がねじれてしまう茎捻転をおこすと緊急手術が必要なことがあります。

子宮筋腫の症状

多くの筋腫は

  • 生理痛が強くなる
  • 月経量が増える

などが挙げられます。
また、筋腫の発生部位や大きさによっては不妊の原因にもなりえますし、月経過多が続くことで貧血などの症状を起こすこともあります。

漢方における子宮筋腫

漢方において筋腫は気血の巡りが悪くなることで発生すると考えます。
気の巡りが悪い状態を気滞(きたい)と呼び、血流が悪い状態を瘀血(おけつ)と呼びます。
気滞や血瘀のように『流れが悪い状態』は、不通則痛(流れが悪い場所は痛みを起こす)と言われるように強い痛みを発生させます。
そのため漢方では気の巡りを良くする行気薬・理気薬、血流を良くする活血薬を中心に考え、貧血症状が強ければ補血薬などをサポート的に入れると良いでしょう。

また生活面においてもストレスや運動不足、睡眠不足、入浴をしないなどは気血の巡りを悪くしてしまいます。
漢方を服用すると同時にライフスタイルの見直しも一緒に考えて行けると良いですね。

まとめ

筋腫は生理活動がある以上は大きくなるのを防ぐのはなかなか困難です。
さらに現代はストレス社会であり、スマートフォンの普及により体を動かす機会も減少しつつあります。
今ある筋腫をこれ以上大きくさせない、筋腫による不調を最小限に食い止める、そのような観点から漢方をお勧めできたらと思います。

ぜひ一度ご相談ください。