不安神経症と漢方

不安感の原因の一つ胆寒とは?

  • 必要以上に心配してしまう
  • 周りの人から『なんでそんなことをいつまでも気にしているの?』と言われる
  • 選択肢が多いと決められない
  • 人の意見に右往左往する

いかがでしょうか?

もし当てはまる人がいたら、それは漢方や中医学において『胆寒(たんかん)』という体調不良かもしれません。

漢方や中医学において『胆』は【決断を司る】と考えています。

つまり、胆が丈夫な人は

  • クヨクヨしない
  • 決断力がある
  • 自分の意志が強い
  • 人の意見に左右されない

などの特徴があります。

ここまで書くと、ピン!と来た人もいるでしょう。
そう、これまさに【大胆な人】なのです。
大胆とは【胆が大きい】という事、ここでの『大きい』は物理的な大きさではなく、丈夫さを表しています。

胆を丈夫にするために肝を守る

胆は五臓の一つ『肝』と表裏の関係にあるため、肝が弱ると胆も弱くなる傾向があります。
肝には疏泄機能と呼ばれる働きがあります。
疏泄機能とは気や血を滞らせずに全身を巡らせる働きです。
肝の疏泄機能が安定していると精神活動や臓腑活動が円滑にいくため、疏泄機能は西洋医学における自律神経のコントロールとよく似ています
肝は気血の巡りが悪くなるような環境や精神状態によって機能が乱れてきます。

そのため

  • ストレス過多の日々を過ごしている
  • 寒暖差が大きい季節(特に春)
  • アルコール、揚げ物、香辛料を好む
  • 運動不足
  • 夜更かし

などに該当すると肝の不調が現れやすくなります。
もし上記に当てはまっている人は、漢方薬を服用すると同時に生活習慣も見直す必要があるでしょう。

胆を丈夫にする漢方薬

有名な漢方薬に温胆湯(うんたんとう)というものがあります。
【胆を温める湯】と書きますが、ここでの『温』は物理的に温めるという意味ではなく、【胆寒】の逆説的な意味があります。
【胆を温める】は、すなわち【胆を丈夫にする】という意味です。
他にも様々な漢方薬がありますので、実際に服用する際にはカウンセリングの上で処方を決めていく事をお勧めしています。

まとめ

漢方や中医学において【心】と【体】はとても密接に関係していると考えます。
心が不調を起こすと体の不調が起こり、体の不調が起ると心も不調になります。
不安感や恐怖、意志が弱い、などはついつい【心だけの問題】と思われ、【心のお薬】を服用しがちです。しかし、心の不調の裏には必ず体の不調があります。
心と体を両方元気にしていく事を、大切にしてくださいね。

ストレス・メンタルの関連記事