お悩み別漢方相談Chinese Medicine Consultation

その他(妊活中の方へ)

高プロラクチン血症を漢方で改善

高プロラクチン血症とは

プロラクチンは脳の下垂体から分泌され、乳腺の発達を促し乳汁分泌を促すホルモンです。
授乳期間中になるとプロラクチンは高い血中濃度を保ち、母乳を与えることができます。
しかし、プロラクチンには別の役割もあります。それは中枢から卵巣までの性腺軸を抑制し、卵胞の発育や排卵を阻害するというものです。これは授乳期間中に妊娠すると早産などの危険が伴うため、妊娠しないように体がコントロールされているからです。
高プロラクチン血症とは授乳期間中でもないのに血中のプロラクチン濃度が高く、授乳中と同じように性腺軸が抑制されてしまう症状を指します。
※PRLの正常値:15ng/ml以下(30ng/ml以上は排卵障害の可能性に)
高プロラクチン血症は排卵障害の10~20%に該当すると言われております。

高プロラクチン血症を中医学的に考えると

高プロラクチン血症を中医学的に考えた場合、原因として挙げられるものに肝鬱気滞、陽虚肝鬱などが多くその二つが合わさった陽虚肝鬱(ようきょかんうつ)の体質が特に多いように思われます。

陽虚肝鬱とは?

陽虚肝鬱とは少し砕いて表現すれば、「温める力や生殖能力などに必要なエネルギーが不足していて、なおかつストレスなどにより自律神経が乱れた状態」と言っても良いかと思います。
そのため中医学的には生殖機能を中心に温める力を高める「補腎陽」とストレスなどを軽減し自律神経を整える「疏肝行気」という対応が必要になってきます。
ちなみに現代医学においてもストレスは高プロラクチン血症の原因の一つと考えられているため、東洋医学・西洋医学に関わらずストレス対策は重要になっています。
漢方薬で体調を整えることも重要ですが、適度な運動や、入浴、楽しい時間を持つなどなるべくストレスを軽減できるような生活養生も大切です。

補腎陽を目的とした漢方薬

参茸補血丸(さんじょうほけつがん)

鹿茸、杜仲、巴戟天などの補陽薬を中心に人参、黄耆などの補気薬、当帰などの補血薬が配合された処方で、冷え症気味(陽虚)の方の生殖能力の向上に利用されます。高プロラクチン血症以外にも、妊活のベースとして処方されることが多く、特に35歳を超えてから妊活をされる方は参茸補血丸のような生殖機能を高める漢方薬は必須とも言えます。
小さい丸薬で水での服用が可能なため、漢方薬独特の味や香りに抵抗がある人にもお勧めです。

疏肝行気を目的とした漢方薬

逍遥丸(しょうようがん)

気の流れを改善する代表的な処方として逍遥丸があります。逍遥とは「気ままに散歩する フラフラ歩く」という意味があり、まさに煮詰まってしまった時に気分転換に散歩をするかのような漢方薬です。この処方の良いところは気の流れを改善すると同時に穏やかではありますが血を補う生薬も含まれていることです。そのため、貧血傾向の人にもお勧めなので、女性のストレス対策(疏肝行気)のファーストチョイスになる事があります。
似たような処方に加味逍遥散があります。この処方は逍遥散に牡丹皮と山梔子が加わったものです。
牡丹皮と山梔子が加わっている分、清熱作用が高まっており、ストレスが加わった時に燃えるような感情(怒り、キレやすい、口調が強くなる)が強くみられる人にお勧めです。しかし、逍遥散に比べると体を冷やす特徴があるので、冷え症体質や下痢体質の人はお勧めしません。実際には冷え症の女性は多いため、加味逍遥散よりも逍遥散の方が適している場合が多いように感じます。

気の流れを改善する食養生としてお勧めの食材は「香のある食材 酸味のある食材」になります。

・セロリ ・梅干し ・菊花 ・柑橘類(オレンジやグレープフルーツなど) ・あさり ・しじみ ・イカやタコ ・パセリ ・ミント ・レモン ・ブドウ ・黒酢 ・ジャスミン茶 ・ラベンダー茶 ・カモミール茶 春菊 ・クコの実逆に気の流れを悪化させてしまう食材は過剰な甘みと塩分、辛味などがあります。辛味はわずかであれば気血の流れを改善してくれますがその効果は一過性で、かえって体に熱をこもらせる食材も多いため、イライラや怒りの感情を悪化させることもあります。怒りっぽい人は辛味を控えるのが無難でしょう。

高プロラクチン血症にお勧めのハーブティー

炒麦芽(いりばくが)

炒麦芽とは麦芽(発芽させた大麦)を軽く炒ったもので、古来より断乳時に煎じてお茶として服用されてきました。中医学的には炒麦芽にはプロラクチンの分泌を抑える働きがあると考えられています。
炒麦芽にはプロラクチンに対する期待ばかりでなく、食べ物の消化を助ける役割もあると考えられているので、妊活中のお茶として服用される方も多いです。
こちらのハーブティーは店頭でいつでも試飲可能です。

まとめ

高プロラクチン血症は中医学による対応で比較的良好な結果を得ることが多い症状の一つです。
人間の基本である食事、運動、睡眠に気を配り体にストレスを溜めないような漢方薬を服用する事をお勧めいたしております。
ご不明な点などいつでもお問い合わせください。

お悩み別漢方一覧に戻る