春になって「キレる人」への漢方アプローチ

こんにちわ、天明堂薬局の中山です。

 

3月に入り春らしさも加速していますね。

 

この時期、暖かくなってくると皆さんの周りに「キレる」「怒鳴る」「短気になる」人が増えませんか?

 

これ、漢方的に考えるとなるほど納得な理由があります。

 

そのキーワードが「肝」です。

 

漢方の世界での肝は疏泄機能という気血の巡りを良くするための重要な役割を担っています。

 

肝の働きが悪くなると気血の巡りが悪くなるのですが、特に気は流れが悪くなると熱を帯びる(火になる)傾向があり、

熱を帯びた気は上昇する性質があります。

 

人間の一番上に位置するものは頭なので、熱を帯びた気は頭に留まりやすくなります。

 

過剰な気が頭部に留まると、怒りや興奮、キレる、という状態を引き起こします。

 

この肝の働きを悪くする感情が「怒」つまり、強いストレスなんです。

 

 

 

そういう意味では季節や環境の変わり目である春はストレスを感じやすいため、肝の状態には要注意ということですね。

 

 

 

よくイライラした時に「気持ちが煮詰まる」という表現をしますが、これは非常にうまい表現で、まさに「気をグツグツと煮立たせている」わけです。

 

頭部に熱が溜まると精神的なトラブルのみならず、顔がのぼせる、目の充血、頭痛、高血圧、めまいなどの症状も起こすから要注意です。

 

火力の強い鍋はすぐに煮立つように、人間も過剰な気(エネルギー)を持っている人ほど、煮立ちやすくなります。

 

体格が良く、食事量も多く、元気な人ほど実は春先にキレやすくなったりするので気をつけましょう。

 

元気はあるだけじゃダメです。

 

うまく体を流れてこそ気の役割を全うします。

 

煮詰まってイライラしている自覚がある人は、鍋をかき混ぜるがごとく、運動をして体内の気を巡らせるようにしましょう。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。