息子は春先になると必ず口内炎ができます。何か悪い病気の前ぶれでしょうか?
口内炎は字の如く「口の内の炎症」です。生活習慣を見直すチャンスだと思いましょう。口内炎は字の如く炎症であり、「熱」が大きく関係してくる疾患です。大きく以下の4つから口内炎を引き起こす原因にアプローチしてみましょう。
① 邪熱侵入
高熱を出すようなカゼなどをひいたときに良くみられるパターンです。口の病変は、肺と胃にたまっている熱の上昇によって引き起こされると考えられます。急に発症することがあり、患部が赤くなり、発熱やのどの痛み、頭痛などを伴う事があります。
治療原則は、体の熱を取ることを第一に考えます。代表的な処方としては銀翹散や白虎湯などが挙げられます。銀翹散は発熱や頭痛の症状がみられる熱性のあるカゼの初期に使われることが多いですが、熱を発散させる効果と解毒作用が高いと考えられ、口内炎にも使われます。ハーブティーの板藍茶とともに使用すると高い効果が期待できます。
② 心火熱盛
憂鬱や怒りなどのストレス・情緒失調が続くと、五臓のうち肝のバランスが乱れ、体の中に異常な熱を作ることがあります。(例えば、怒っている人を「かっかしてる(火っ火してる)」とか「頭に血が上る」という表現をします) この火が心に影響すると心火となります。五行学説では心と舌は深く関わっており、心火が過度になると舌や口腔に影響し、口中がただれるような炎症を起こすと考えられます。気持ちが落ち着かなかったり、不眠傾向、尿が黄色だったりすることがあります。春先から夏場にかけて多くみられ、女性よりも男性に多くみられます。思春期に見られるのもこのタイプが一番多いように思います。
治療原則は体の熱を取り、ストレスなどによるイライラのケアをすることが大切です。 使用される方剤としては、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)や清心蓮子飲(せいしんれんしいん)などがありますが、それに合わせて加味逍遥散などでストレスのケアをすることも大切です。
③ 脾胃湿熱
飲食の不摂生が招く、店頭で多くみられるタイプです。 胃腸の症状は口に影響することが多いと考えられています。辛いもの・甘いもの・脂っこいもの・お酒の食べすぎにより生じる湿熱が口に上昇すると、口内炎になると考えれます。一般の化学薬品などでは治りにくく、漢方薬の出番といえます。 口臭や口の渇き、便秘などを併発することがあります。
治療原則は熱と湿の両方をとる方法をとります。代表的な方剤として竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)などがあります。ハーブティーの板藍茶などと一緒に服用するのもよろしいかと思います。
④ 陰虚火旺
大雑把に見て、私たちの体には陰陽のバランスがあり、陰陽のバランスが健全であれば温めすぎず冷めすぎずの状態を保つことができます。 しかし、熱性疾患による陰の消失、更年期、慢性疾患による陰の消失などが原因で、陰が減り陽が相対的に過剰になると、体内に熱を生じ、この熱が口内炎の引き金になることがあります。この場合の口内炎は慢性的で治りにくいことが特徴で、体質を改善しないと完治には至りません。人によってはめまいや物忘れ、耳鳴り、不眠、腰痛などの症状を伴う事があります。
治療原則は火を鎮めると同時に体に不足している陰を補うことで陰陽のバランスをとることが重要です。代表的な方剤として、瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)に板藍根や白花蛇舌草などを併用するのが良いでしょう。
すべてのタイプに言えること
口内炎は炎症なので、口内炎があるときは熱を生むような行為は避けることが大前提です。たばこ、お酒、不眠、脂っこいもの辛いものは極力避けるようにしましょう。慢性的にできてしまう方は、上記のような生活習慣がある人に多くみられます。気をつけましょう!





