経血量多すぎる?少なすぎる?

月経不順の中でも意外と見過ごされがちなのが経血量の変化です。
人と比べることができないためどんな経血が理想的なのか認識するのも難しいものです。一般的に理想的な月経は50~100cc程度、2~3日目に量が多くなり4日目以降は少なっていきます。個人差はありますが明らかに少ないか、多い場合は注意が必要です。

量が少ない人

1.血虚タイプ

中医学における「血」は栄養を運ぶ、温める、精神を養うなどの働きがあるとされています。
血が不足すること、もしくは血の働きが十分でないことを血虚と呼びます。
このタイプの人は経血量が少ないと同時に経血の色も淡くなりがちです。
めまい、不眠、動悸、顔色が白い、などの特徴が表れやすく、過度なダイエットや慢性貧血の人に起こりやすくなります。

2.冷え症タイプ

冷房や寒さで血が冷えると血行不良を起こしてしまいます。
血の十分な働きが行えず、経血がスムーズに排出されず経血の減少を招くことがあります。
血行が悪い人は経血に塊が出やすく生理痛も強くなりがちです。全身的な血行不良になると頭痛、肩こり、冷え、唇や舌や顔色が黒ずむなどの特徴も表れます。

3.腎虚タイプ

腎とは生殖機能に深くかかわる臓で月経や排卵のコントロールに大きな影響を与えます。
腎の働きが弱くなることを腎虚と呼びます。生まれながらに腎虚の人もいれば、加齢とともに腎虚が進行していくこともあるため、腎の働きを補う「補腎」は現代でいうアンチエイジングの意味合いもあります。腎虚になると生殖機能が低下してしまい、内膜を十分に育てることができず、経血の量も少なくなることがあります。
このタイプの人は腰痛や足腰の脱力感、めまい、物忘れ、頻尿などが表れやすくなります。
 

量が多い人

1.内熱タイプ

体の中に熱がこもってしまうと気持ちの興奮や血流の過剰促進が起こりやすくなります。
それが経血の流出促進にもつながります。
このタイプの人はイライラしやすく怒りっぽくて、口の渇きや便秘傾向などの特徴があります。食事もオーバーカロリーになっている可能性もあります(食べ過ぎてなくても運動不足などで消費カロリーが少ない場合もあります)。

2.気虚タイプ

気は今でいうエネルギーのようなもので、気が不足することを気虚といいます。
気には「体の中に血を留めておく」という役割もあるため、気が不足すると出血傾向がみられることがあります。私たちは一般的に食べたものから気を生成しているため、胃腸が弱かったり冷たい物や生ものなどを好んで食べる人は気虚になりがちです。
気が不足しているため、疲労感や倦怠感、めまい、軟便などの特徴がみられます。
以上のように経血が少ない、多いのトラブルにもさまざまな要因があるため、体質に合った解決策を取ることがポイントになってきます。健やかな月経は穏やかな人生にとってもとても重要です。自分に合った漢方薬で体質改善していきましょう!

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