最近、気持ちがソワソワしたり疲れやすくなったりして更年期障害だと思うのですが、なにかいい漢方薬はありますか?

更年期の人 パンダ顔(小)  更年期の症状は人によって違います。自分に適した漢方薬を飲むことが大切です。

 更年期症状と一言にいっても、自覚症状は人それぞれです。そのため、自分の症状に合う漢方薬や生活習慣が求められます。誰しもが経験する更年期を快適に過ごすためにもぜひ参考にしていただければと思います。

 中医学では更年期障害のタイプを大きく2タイプに分けます。1つは腎陰虚タイプ、もう1つは腎陽虚タイプです。

 腎とは西洋医学での腎臓とは違います。中医学での腎には「精を蔵す(発育・生殖をつかさどる)」、「水をつかさどる(必要な水分の吸収・不要な水分の排出)」、「納気をつかさどる(深い呼吸に関わる)」、「骨を主り、髄を生じ、脳を充たす」、「耳と二陰に開竅する」などの働きがあります。

 また、腎陰と腎陽は体内での陰陽のバランスに大きく関与してます。そのため加齢とともに衰える腎は更年期以降の体質に大きく関わってくるのです。腎陰は臓腑、脳、髄、骨を滋養し、陽に偏るのを防ぎ、発育と生殖を維持します。そのため、腎陰が虚する「腎陰虚」になると、滋養ができず、体の中から火照りやすくなります。具体的な症状としては、めまい、聴力減退、耳鳴り、不眠、憂鬱、時に皮膚のかゆみ、便秘などがあります。

 適する漢方薬としては火照り感が強ければ瀉火補腎丸を、視力の減退も気になるようであれば杞菊地黄丸、特に不眠や憂鬱、気持ちのそわそわが気になるようであれば天王補心丹が良いでしょう。また、気持ちのイライラや憂鬱感がひどいようであれば星火逍遥丸や加味逍遥散を加えていただくのもいいと思います。

 腎陽は全身を温め、発育と生殖を促進させるはたらきをもちます。そのため、腎陽が虚する「腎陽虚」になると、温煦することができず、冷えを感じたり、生殖機能の減退を起こすようになります。具体的な症状としては、足腰が冷えてだるい、手足が冷たい、顔色が白い、気持ちが奮い立たないなどがあります。

 適する漢方薬としては海馬補腎丸や八味地黄丸があります。また、体を温めるタイプのものには胃もたれを起こしやすい動物性生薬が使われることが多いので胃腸の弱い方は晶三仙を合わせるのが良いでしょう。

 食事の面でも、クコの実やなつめ、山芋、くるみ、黒ゴマ、菊の花などは積極的に食べるのが良いでしょう。


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