漢方薬って長く飲まないと意味がないですか?という質問に対する答え

こんにちわ、天明堂薬局の中山です。

 

今日のブログはタイトルにもある通りなんですが、漢方薬は長く飲まないと意味がないのか?という質問に対し、

少し具体例を挙げながらお答えしたいと思います。

 

まず、中医学や漢方には根治(こんち)と標治(ひょうち)という2種類の考え方があります。

 

ざっくり言えば

根治→体質改善

標治→対処療法

で、良いと思います。

 

「漢方薬は長く飲まないと意味がない」というのは根治の事を指しているのだと思います。

これは当然と言えば当然の話で、

例えば漢方薬を服用して「1週間後には全身の血が改善しますよ」「1週間後には全身の皮膚が改善します」

なんて言われたら、「そんなまさか!」って思いますよね。

まさにその通りで、体そのものが改善するっていうのはすぐにはできません。

血の生まれ変わりはおよそ120日とも言われていますから、4か月服用して全身の血が生まれ変わり、その血が全身を巡ることで、

体のあらゆるものが改善していくって考えると、「漢方薬は最低でも4か月服用」という考え方も納得です。

 

しかし、対処療法である標治は違います。

例えば、風邪をひいたときに葛根湯を服用したことがあるかと思いますが、

もしもお店で

「風邪なんですね。では葛根湯をお勧めします。服用してから4か月後に良くなります」

 

なんて言われたら、だれも服用しないですよね(笑)

 

このように目の前の症状を取り除く漢方薬は服用すればすぐに効果を発揮するのです。

 

そのため、タイトルの質問に答えるなら

体質改善を目的とした漢方薬→ある程度長期的な服用が望ましい

対処療法を目的とした漢方薬→症状がある時のみ服用し、長期的な服用は好ましくない

でOKです!

 

今の体調不良が根治で対処すべきか、標治で対処すべきか?

そのあたりの見極めも漢方の専門家に相談していただけると幸いです。

中山 貴央

中山 貴央先生

  • 薬剤師
  • 国際中医専門員
  • 薬膳コーディネーター

子宝相談、婦人科相談、美容相談を専門としています。
唯一無二の自分の心と体、そして人生だからこそ根本から改善できる漢方を試していただきたいと思っています。